2024.11.29より始まる「カクヨムコン10」。本作「反逆のオラトリオ」は、このコンテストに投入されるべく作られた作品です。
以前同モチーフにて「静心にて、花の散るらむ」を作りましたが、本作はそれを更にグレードアップし、エピソードなども大幅に改変・改訂したものとなっております。ガジェット類も大きく変わっています。そのため、静心~をお読みになられた方も新しい感じで読めると思っています。キメてるところはキメてますが。
本作は「セイレネス・ロンド」の「新たなるマリオン編」で、既存のヴェーラ編・マリオン編とは別の世界線の話となります。既存の世界では出てこないガジェット(しかも重要)なものがいくつもでてきますし、戦い方の概念も違っています。マリオンたちの軸足は変わっていませんけどね。
ストーリー
舞台は西暦2096年の架空世界。ヤーグベルテとアーシュオンという連合国家が一世紀に渡って戦争を繰り返している時代。
西暦2084年にアーシュオンが自律型変形爆弾インスマウスという超兵器を使い、ヤーグベルテ本土の八都市に無差別空襲を行ったことから状況は一変する。それまで均衡状態にあったヤーグベルテ/アーシュオン戦線はナイトゴーント、ナイアーラトテップといった超兵器を次々と繰り出してきたアーシュオン側に大きく傾斜する。ヤーグベルテはなすすべもなく亡国の危機に晒される。
そこに現れたのが、歌姫と呼ばれる能力者。始原の歌姫、D級歌姫とも呼ばれる二人は、ヴェーラとレベッカという。戦艦・セイレーンEM-AZとウラニアを与えられた二人は、次々とアーシュオンの超兵器を撃退する。二人の歌姫はヤーグベルテがアーシュオンに抵抗する事のできる唯一の手段だった。
そして二人に遅れること数年、歌姫たちが覚醒していく。「アルス・パウリナ」というVRシミュレーションゲームを通じて国家は歌姫を掌握し、歌姫の能力を有する子どもたちを士官学校に集めていく。
2096年、ゲームを通じて知り合っていたマリオン、アルマ、レオナの三人は士官学校に入学し、出会いを果たす。先に覚醒を果たしていた先輩歌姫たち、そしてD級歌姫たちと触れ合う内に、マリオンたちは世界の絡繰に、戦争継続の方法論に気付かされていく。
そして訪れるその日――。