ナイトゴーント

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BattleShip Design: サトウシゲル

ナイトゴーントは、ロイガーの後継機という位置づけで知られている。のだが、実際の所は、ナイトゴーントの開発・配備計画がまずあって、そのためのデータ収集や量産性の確立のためのテストベッドとして作られたのがロイガーである。先行量産型ナイトゴーント=ロイガーと考えても差し支えない。

ロイガー同様に無人機であり、有人型とは比較にならない機動性を誇る。また、性能に関しては段違いに強化されている。アーシュオンが無人航空機に力を入れているのはひとえに人材不足が深刻化してきたからに他ならない。ヤーグベルテは四風飛行隊という絶対的エース部隊が350~400名を揃えているのに対し、アーシュオンは、マーナガルム飛行隊、アウズ教導飛行大隊、ナグルファリ飛行連隊――この三部隊くらいしか超エースと呼ばれる部隊がいない。

なお、アウズとナグルファリについては「セイレネス・ロンド」に於いても名前しか出てこない。とにかく鬼のように強い飛行隊だと言われている。なお、マーナガルム飛行隊は第二部の主人公の一人であるヴァルター・フォイエルバッハ率いる超エース部隊であるが、当初十二名いた所、最終的にはほとんど全滅状態に陥った。

話を戻してナイトゴーントであるが、無人機としては究極・極限の域に至っていると言っても良い。マッハ3にも至る戦闘速度を誇り、人間が乗っていたとしたらミンチになりかねないような機動マニューバもこなす。……のだが、超エース部隊であれば当たり前のようにこなす(プログラミング戦闘とも呼ばれる)論理戦闘によって、あっというまに攻略されることになる。もっとも、そこに至るまでにはヤーグベルテの守護神の片翼を担っていた「異次元の手」エイドゥル・イスランシオを始めとする数多くのエースたちの命を必要としたわけだが。

カティのような対セイレネス能力がある、かつ、超エース級の技量を持つパイロットにとっては、撃墜スコアを稼ぐ絶好のカモとなってしまう。もっとも、四風飛行隊よりも劣る技術の飛行士にとっては圧倒的脅威であることには変わりなく、ヤーグベルテの空を脅かし続ける存在なのである。

また、運用としては、潜水空母に搭載されるのが基本であるが、艦載機搭載能力を有するナイアーラトテップによって運用されたりもする。ナイアーラトテップの集団運用の前には通常艦隊は太刀打ちできず、また、頼みの歌姫艦隊とはかち合わないように運用されているため、本土空襲は避けられない状態となっている。アーシュオンはその工業生産力に物を言わせてほとんど無尽蔵に本機およびロイガーを量産するため、四風飛行隊の増援を待つ他にないヤーグベルテ空軍部隊は常に苦境に立たされている。

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