36. リュシー・プルースト

キャラクター紹介(絵なし) 人物-セイレネス・ロンド
キャラクター紹介

「静心」には出てこないが、「セイレネス・ロンド」ではちょくちょく顔を見せる。参謀部第六課のメンツの一人で、初登場時は少尉。2084年、士官学校襲撃事件の頃で20歳そこそこであり、将校の中ではダントツに若い。第六課といえば、「逃がし屋」エディット・ルフェーブル、後にアレキサンドラ・ハーディが統括となる部署である。

彼は高校卒業と同時に軍に入隊している。士官学校卒ではないため、将校に至る可能性はほぼなかった。……のだが、何をきっかけにしたのか、エディット直々に指名して参謀部に異動させてそして少尉の階級を与えている。エディットの目は確かで、彼は極めて実直で忠実な部下として(少し皮肉屋ではあるが)、エディットやハーディを支えていた。こと、エディットには憧憬しょうけいを超えた、好意を抱いていた。エディットもその想いには気付いていたが、敢えて仕事の関係に徹していたし、彼の想いには(敢えて)応えなかった。それは別れたとは言え最高のパートナーであることには変わりなかったアンドレアス・フェーンを振り切ることができなかったという証左でもあるし、また、自分がプルーストにくらべて随分と年上であることもまた、ともすれば彼に弱音を吐こうとしてしまおうとする自分へのブレーキに作用したようだ。それはフェーンが壮絶な戦死を遂げた後も変わっていない。

能力という点では、プルーストは注意力と状況判断力が超人揃いの第六課の中でも極めて高く、エディットが何らかの指示を出そうとした時には既に遂行済みである――などということもしばしばあったようだ。気が利き仕事もできる若者であるから、参謀部内外を問わず、彼に憧れを持つ女性陣も少なくないと思われる。ついでにイケメンである。しかし不器用なほどに一途な青年でもあり、エディット以外の女性には目もくれなかったようではある。

そのエディットが暗殺されるに至った経緯を知り、統括・ハーディとの関係が致命的に悪くはなるが、彼は聡明であり理性的でもあった。そのため、感情に任せて第六課から去ることもなく、として変わらぬ活躍をしている。プルーストとしては、感情ではハーディを許せなかったが、論理性の部分ではハーディの境遇に強く同情していたとも言える。

また、「歌姫セイレーン」たちへの理解も深く、年の近いヴェーラたちには特に好かれていたようだ。

「静心」の後の展開では、彼が第六課の重鎮として活躍する……などということも想定されていた(のだが、残念ながらお蔵入りである)。2084年で20~22歳であるから、静心の結末2099年にはアラフォーの域に突入している。軍内部でも相当な発言権を持つに至っていると予想される。

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