28. ジョルジュ・ベルリオーズ

キャラクター紹介(絵なし) 人物-セイレネス・ロンド
キャラクター紹介

「僕はね、彼らの無力由来の復讐心ルサンチマンを見ているのが好きなんだよ。虫唾の走るようなこの感覚を睥睨へいげいする事に、それができる立場にいることに、僕はただならぬ愉悦を感じている。その点については、僕は君に感謝しなくてはいけないと思っているよ」

ジョルジュ・ベルリオーズについてのページを作るかどうかは非常に悩んだ。ちなみに、「静心にて、花の散るらむ」では名前すら出てこない。のだが、深く関係はしている。

このサイト内の各種解説のあちこちに、ベルリオーズの名前が出てくる。そのくらい彼はこの世界に密接な関わりを持った人物である。というよりも、この世界における「支配者ドミネイター」である。また、OrSHの一人であるARMIAからは、「デーミアールジュ」とも呼ばれている。なお、OrSHやARMIAについてはこちらのページを参照。

彼は明らかに普通の人間ではない。16歳にして「超AI・ジークフリート(これは当初「OS」として発表された)」を作りネットに放流し、瞬く間に世界のネットワークを支配下に置くことに成功する。世界が彼の完全なソフトウェアを受け入れた……という形であった。それは彼自身の能力ももちろんあったが、「悪魔」や「天使」と呼ばれる者たちによって誘導された結果である。悪魔に魅入られた男・ファウストにして、ユミルの知恵を手に入れた男・オーディンなのだ。「セイレネス・ロンド」において左目が輝く描写が出てくるのも、オーディン由来のものである。彼の傍らには冥界奈落の女郎蜘蛛アトラク=ナクアという「銀の悪魔」がいるのだが、彼女がベルリオーズに「ティルヴィング」なるものを与えた時に、世界は組み変わったらしい。

ベルリオーズはそうして手に入れた甚大な富をもって、軍産企業複合体コングロマリット・ヴァラスキャルヴを構築し、軍事に関しても世界の覇者となる。つまり、全ての戦争に介入し得る――また、実際に介入している。全ての戦闘・戦争は、言ってしまえばベルリオーズの自作自演なのだ。スケールが大きすぎる自作自演であり、それゆえに誰にも止められない。

また、ベルリオーズにはいわゆる物理実体があるのかないのかさえ不明である。彼に「会った」と主張する人物もいるが、それが事実だと裏付けられる証拠があまりにも少ない。また、あったはずの情報が改竄かいざんされることも実際の所少なくはなく(ベルリオーズ以外はその事実を知る由もない)、彼に関する情報の信憑性はほぼない。ただ、ベルリオーズは間違いなくその論理世界ロジックレイヤーの本拠地・バルムンクから、物理世界への干渉をおこなっている。その際たるものが「歌姫計画セイレネス・シーケンス」の実行である。そもそも「超AI・ジークフリート」も、この「歌姫計画」のために作られたと言っても良い(主客転倒を起こしているが、それはアトラク=ナクアやツァトゥグァと呼ばれる「悪魔」たちの差し金ゆえである) しかし、ベルリオーズは神をも悪魔をも欺く男である。

「セイレネス・ロンド」においては要所要所で姿を表し、複雑怪奇なダイアログ、あるいはトライログを残している。いわば、「セイレネス・ロンド」という大舞台に於けるデウス・エクス・マキナである。実は「セイレネス・ロンド」最終部では、「D.E.M.」というに乗って主人公たちの前に現れることになっていた。最終部のタイトルも「D.E.M.」の予定だった。

「セイレネス・ロンド」にて巻き起こる悲劇の、そのほとんどすべてがこのベルリオーズ由来のものであると言ってもいいかもしれない。なんぴとも彼のたなごころからは逃れることはできない……。

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