ヒュペルノル

ステージセット ステージセット-静心
BattleShip Design: サトウシゲル

ヒュペルノルは、ヤーグベルテ3隻目の戦艦である。(「セイレネス・ロンド」では、巡洋戦艦デメテル、巡洋戦艦エリニュス、戦艦セイレーンEM-AZ、戦艦ウラニア、そしてこの戦艦ヒュペルノルとなるので5隻目となる)

そして、ヤーグベルテ初のS級歌姫ソリストレネ・グリーグの座乗艦。初登場は#05-01である。そこでは以下のような描写がある。

ウラニアやセイレーンEMイーエム-AZエイズィほどの巨大さはないものの、それでも正規空母よりは一回り以上大きい。艦を守る半透明な装甲の色は、光の加減によって白とも青とも緑とも感じられた。モルフォ蝶のように絢爛けんらんたる輝きを纏った戦艦だった。

というように、非常に美しい戦艦。半透明な装甲ってのは、あれです。ファイブスター物語ストーリーズのLEDミラージュのパk……オマージュです。

サイズは明言されていませんが、全長500~550mあります。セイレーンEM-AZおよびウラニアが650mあるので、それに比べれば随分小型化したものです。が、やはり無茶苦茶でっかい。戦艦のためだけに港が作られたりしています。入れないので。ドックももちろん特別あつらえです。

基本的な武装はセイレーンEM-AZを踏襲していますが、変形機構はそこまで派手なものではないです。セラフィムセヴンとかないし。ただ機動力は素晴らしく、いわば「高速戦艦」に分類されるほど速力があります。時速100~160kmくらい。最高速度を出すとなると、この巨体ですから海が割れます。文字通りに割れます。あ、それとこの世界、ワタシ的単位四天王(ヤード・ポンド・マイル・ノット)は死にました。やったね。わかりにくい単位の表記っていうのは、読書リソースを食いますからね。何事もイメージしやすいものに寄せるのが良いという信条です。

さてさて。

「静心」では何事もなく無事に配備されているのだが、「セイレネス・ロンド」においてはこのヒュペルノルは(予算の都合がつかず)完成が遅れてしまっている。そのためレニーは最初、同期のパトリシア・ルクレルクに与えられるはずだった重巡洋艦ポルックスに乗っている。で、レニーは重巡洋艦の時点で無双状態だったのだが、この戦艦が完成した後からはまさに一騎当千の働きを見せる。それでもヴェーラやレベッカのようなD級歌姫ディーヴァには遠く及ばないのだが、二人は明らかにオーバーキル状態であり、実際の戦闘ではレニーの実力でも圧勝することが可能であり、必要十分に過ぎるとも言える。運用コストを考えても、レニーと他の歌姫を突撃させたほうが圧倒的に安価に抑えられるため、軍上層部としてもレニーの働きには大いに期待していたようである。

何にせよ、セイレーンEM-AZとウラニアは運用コストが高すぎたのだ。ヒュペルノルはその問題を解決するための実験艦という側面を持っていた。そして、後にマリオンアルマに与えられる新型艦・制海掃討駆逐艦バスター・デストロイヤーアキレウスおよびパトロクロスのためのテストベッドでもある。ホメロス社によるセイレネス・システム小型化計画――イリアス計画の入り口だということ。そんな実験艦ではあるものの、その戦闘力はやはり圧倒的。攻撃力、防御力、機動力、その全てが異常に高い位置で安定している化け物艦である。実際に、アーシュオンが必殺の兵器として投入してきた、潜水艦型ISMT、通称「I型ナイアーラトテップ」ですら、こともなげに撃沈している。

ヤーグベルテの誇る最前線フロントラインの死神。それがこのヒュペルノルである。

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