トリーネ・ヴィーケネス専用重巡洋艦にして、セイレネス実証実験艦、レグルス。
エディタの重巡アルデバランと同日進水であるが、姉妹艦ではない。コストを考えれば同型艦にすべきだったのだろうが、セイレネスの効率的な戦術戦略を構築するために幾らかのバリエーションが必要だったため、全く別の設計思想となっている。ちなみにどちらも製造元はお馴染みのホメロス社。マリアの所属する軍事企業である。
このレグルスはアルデバランよりも一回り小さく、全長350m。およそ航空母艦と同サイズである。が、艦体のあらゆるところに火砲が装備されており、敵中突撃からの火力全開によって戦線を押し上げる役割を担う。トリーネの高い能力もあいまって、その戦術は極めて有効だった。アーシュオンとしては、V級歌姫の最新鋭の重巡が吶喊してくるのは恐怖以外の何物でもなく、実際にこの重巡レグルスの突進攻撃だけで、数多くの主力艦を喪失している。V級は「最下位C級の１つ上」という位置づけてはあるが、その戦闘能力は文字通り桁違いである。通常攻撃はほとんど無力化される上に、装甲は紙にも等しくされてしまうからだ。そしてセイレネスを通じた攻撃は、V級ともなれば艦船相手ならば文字通り必中である。
アルデバランに比べると防御力と対空戦闘力は若干見劣りするが、その分圧倒的な対艦火力と軽巡に迫る機動性を有している。しかし、2096年の新型ナイアーラトテップ（I型）が初めて出現した戦闘にて、トリーネや多数の随伴艦もろともに轟沈した。