34. エリソン・パウエル

キャラクター紹介(絵なし) 人物-セイレネス・ロンド
キャラクター紹介

士官学校ヤーグベルテ統合首都校の空軍候補生を監督する立場の教官。作中では教練代表主任という長い役職名を与えられている。また、「静心」では登場しない。彼が直接登場するのは、「セイレネス・ロンド」の第一部のみである。

かつては「暗黒空域」カレヴィ・シベリウス「異次元の手」エイドゥル・イスランシオと並ぶ超エースパイロットの一人として名を馳せたが、ある戦闘で派手に被弾し、右足を喪失した。そしてそれをきっかけにして戦闘機を降りてしまった。この時代の技術レベルでは、手足の損失があったとしても日常生活には全く問題はないのだが、それと戦闘機を操ることはまた話が違う。0.1秒未満の世界での戦いとなるためだ。

しかし、その豊富な空戦の経験は、カティたちが使うことになるシミュレータの開発・発展に大きく寄与することになる。恐ろしくリアルに作られたあのシミュレータは、彼の支援によって作られたと言っても良い。もっとも、プログラムの設計に携わったブルクハルトがいなければ、完成には程遠かっただろうと思われるが。ともかくも、空軍士官候補生たちの訓練の機会を多くし、結果生還率を大きく上げたということについては、軍首脳部からも高く評価されている。

また彼は先述のシベリウス、イスランシオという国防の双璧とも言えるふたりとも極めて親しく、度々イスランシオから情報提供を(ひそかに)受け、それをもとにしてシベリウスと会話する――といったシーンが登場する。当のシベリウスからは「エリス野郎」などと呼ばれているが、別に二人の仲が悪いわけではない。

士官学校に型落ち機(というか退役機)であるF102イクシオンが配備されるという話を聞いた時、猛烈に反対したりもしている……のだが、そこは「セイレネス・ロンド」では語られていない。その件について、シベリウスから追及された際には、組織人としての苦悩を見せていた。

また、電子戦闘・論理戦闘の達人であるイスランシオよりも先に、「システムを書き換えながら空戦を行うことが可能」であることを証明した人物である。もっともそれは「理論的には」という枕詞がつく……はずのものだったが、イスランシオがその論文をもとに研究を重ねた結果、「実践可能」なものとなった。その技術は「空の女帝」カティにも受け継がれていることから、間接的とは言え、ヤーグベルテの国防にとっては神がかり的な功績であると言っても良いのかもしれない。

彼にはカルロスという弟がいて、彼は後の「(二代目)暗黒空域」である。

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