30. カルロス・パウエル(二代目暗黒空域)

キャラクター紹介(絵なし) 人物-セイレネス・ロンド
キャラクター紹介

カルロス・パウエルは、二代目「暗黒空域」にして、カティの直属の超エースパイロットである。実は戦闘技術そのものならカティをも凌ぐとさえ言われる超絶技巧の持ち主。また、エウロス主要メンバーの中では最年少。次期エウロス隊長と言われており、カティもそうなるだろうなと思っている。

高等部時代に士官学校に配備された「羽付き棺桶」F102イクシオンに乗って、アーシュオンの最新鋭攻撃機と互角に渡り合った。このとき、カルロスはまだ16歳で、実機はおろかシミュレータさえ未経験だった。それで「暗黒空域」シベリウスが感嘆するほどの飛行技術を見せつけたのだから、やはり天才である。

しかし、このが仇となり、「廃棄処分寸前の戦闘機でも戦える」という間違ったメッセージを発することになってしまい、士官学校への「自衛用」戦闘機(という名前の粗大ゴミ)の配備は進むのである。税金を無駄にするな、まだ戦えるのだから有効に使うべきだ、などという世論の一大ムーブメントに配備反対派は惨敗したということである。中継映像でその戦闘を目撃していたカティがその不安を口にしているのだが、それは見事に的中したということである。

カルロスは、カティたちの士官学校(統合首都校)で空軍の教育士官のトップを務めるエリソン・パウエルの年の離れた弟である。エリソンはシベリウス、イスランシオと共に、英雄とも言われたほどの空戦の達人であったが、ある空戦で足を失って戦闘機を降りた。

そのエリソンによって幼少期にあれこれ好奇心を満たされていたというのも間違いなくその処女戦に良い影響をもたらしている。いや、その知識がなければそもそも無謀な空戦は挑まなかっただろうし、F102イクシオンの配備も中止になっていたかもしれないことを考えると、いささか微妙な気分にもなる。

カティとは5~6歳離れているのだが、士官学校卒業とほぼ同時にエウロスに入り、それ以来「空の女帝」カティの二番機、あるいはエンプレス隊副隊長として活躍している。カルロス率いる猛者中の猛者であるエンプレス隊二番隊(12機編成)は、エンプレス隊一番隊に勝るとも劣らない強烈さがある。

エウロスはカティ機以外の全機が黒なのだが、カルロスの機体だけはそれよりもさらに黒い。完全な闇色である。知る人ぞ知る程度の違いなのだが。

残念ながら「静心」では出番なし、「セイレネス・ロンド」でもあまり活躍の機会が与えられなかった。というのは、「静心」以後に鬼のように活躍してもらう予定だったからである。

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