エディット
カティ、魚を捌くのもうまくなったわね
カティ
なにせ「歩くおつまみレシピ」だからね
エディット
私が男だったら絶対手放さないわよ、あなたのこと
カティ
もー、姉さんってば。でもそれってアタシの存在意義っておつまみ……?
エディット
おつまみは加算要素。私もアンディも料理はそんなに、ね
カティ
二人はお付き合い長かったんだよね
エディット
十年以上ね。結婚とか意識した途端にお互い冷めちゃった
カティ
そんなもんなの?
エディット
なんか制度なんてどうでもよくない? みたいな。
カティ
うーん、確かにそうかも知れない
エディット
それにね、そんな制度に囚われてお互いの関係性が変わっちゃうかもしれないって。それが怖かったのよね、私は。アンディがどうだったかはわからないけど
カティ
そうかぁ。別れた後も関係は続いてたってなんかのゴシップ記事で読んだけど
エディット
肉体関係はなかったわよ。多分。……多分。酔っ払ってて覚えてないだけかもしれないけどね
カティ
またすごいことをあっけらかんと
エディット
恥ずかしがるトシでもないでしょ、あなたも
カティ
いや、うん、うーん、まぁ。そうかな?
エディット
空の女帝もウブなのねぇ?
カティ
そ、そりゃ、その、そうだろ。だってほら、そのさ、アタシは
エディット
男女関係に関する反射神経はゼロなのねぇ、あなたは相変わらず
カティ
アタシはだって、ほら、そういうの望んでないし。うん、望んでないだけだし
エディット
あなたの全てを受け入れてくれる素敵な殿方が現れるかもしれないわよ?(っていうかいるじゃない)
カティ
だとしても、アタシはなびかないと思うんだよなぁ
エディット
お姉さんとしては、かわいい妹分が幸せならそれで良いんだけど
カティ
幸せかって訊かれたら、どっちかっていえば不幸だって思うけどね。
でもそれとコレとは話が別だよ、姉さん
エディット
ふふ、まぁ、そうね。でも、アタシ一人が幸せになるわけにはいかない……とか、考えてないでしょうね?
カティ
(うっ……!?)
いや、うん、ないよ。そんな事考えてないし
エディット
(あなた、本当に純粋な子ねぇ)