ヘスティア

ステージセット ステージセット-静心
BattleShip Design: サトウシゲル

ヘスティアは、超隠蔽システムスーパーコンシーラを有した航空母艦である。完成するなりクロフォード提督率いる第七艦隊に旗艦フラッグシップとして配備された。航空母艦でありながら対潜能力に非常に優れ、また、強襲・奇襲作戦に特化した特殊艦船でもある。まさに「潜水艦キラー」にして天才戦術・戦略家であるところのクロフォードのために生み出された航空母艦である。

搭載機数などの詳細は不明だが、超エース飛行隊四風飛行隊の中でも狂った練度を誇るエウロス飛行隊にして、更に「神に愛された」とも評される戦闘技術を持ったエンプレス隊24機を総動員した共同作戦が「静心」で登場している。アーシュオンにしてみれば極めて厄介な第七艦隊ではあるが、第七艦隊は「しょせん」は通常艦隊でしかない。歌姫の護衛がない以上、超兵器オーパーツには歯が立たない。そのためアーシュオンは隙があれば第七艦隊を壊滅させようとするであろう――ということを利用した大規模欺瞞作戦だった。実際にアーシュオンの潜水艦艦隊は超兵器オーパーツを投入するという盤石の体制にて、ふらふらうろついていた第七艦隊を襲撃するのだが、ヘスティアに搭載されていた「超攻撃型大型戦闘機・エキドナ」を与えられたカティの率いる計24機のエンプレス隊によって逆襲、殲滅の憂き目にあっている。

この事件により、アーシュオンは、ヤーグベルテの通常艦隊相手にも気を抜けないこと、エウロス飛行隊が一層危険な敵になってしまったことを認識する。それが終盤登場する、イザベラを激怒させた「あの兵器」の開発加速に結びついていく。

また、終盤でアルマパトロクロスがシステム不調をおこして第一艦隊から離脱し、その際に護衛艦としてレニー戦艦ヒュペルノルが護衛に付く場面がある。予定通りならそのまま港まで曳航するところだったのだが、そこに突然、このヘスティアを擁する第七艦隊が出現する。ヘスティアの超隠蔽システムスーパーコンシーラによって、イザベラでさえその存在に気付かなかった。なお、「なぜ」「そこに」第七艦隊がいたのかを承知している人間はほとんどいないが、これはクロフォード提督が何らかの計画(言うまでもないが「歌姫計画セイレネス・シーケンス」である)に則って行動した結果である。……クロフォードもまた、マリア・カワセ同様に計画側の人間である。

そして、第七艦隊がアルマのパトロクロスを護衛してしまったために、レニーがアルマに同伴する理由がなくなった。仕方なく、レニーは第一艦隊と再合流。その矢先に「あの兵器」と最接近、先制攻撃を受けてしまう。アーシュオンの「あの兵器」による火力は凄まじく、さらに「その攻撃」に全く備えていなかった(イザベラですらその攻撃を予測できなかった)ヒュペルノルは、あえなく轟沈させられてしまう。しかし、ヤーグベルテはその時の捏造映像を用意しており、そのクオリティとタイミングにはマリオンたちですら騙された。歌姫計画恐るべしである。そして、クロフォード提督(「静心」では本人は登場しないが)もまた、その気さくな仮面の下は、恐るべき策略家なのだ。ヤーグベルテで最も悪いやつかもしれない。

クロフォード提督と航空母艦ヘスティア。この二つは、決して結びあわせてはならないものだったのかもしれない。

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