エウロス飛行隊

ステージセット ステージセット-静心
BattleShip Design: サトウシゲル

エウロス飛行隊は、ヤーグベルテ最強の飛行士たちの集う「四風飛行隊」を構成する飛行隊の一つ。他の構成部隊として「ボレアス」「ノトス」「ゼピュロス」がある。エウロス飛行隊及び他の3飛行隊が組織されたのは2050年前後。その時に「四風飛行隊」として世に現れた。

最初のスターパイロットは「暗黒空域」と渾名されたカレヴィ・シベリウス。ボレアス飛行隊に所属していた同期の「異次元の手」エイドゥル・イスランシオと共に圧倒的な実力を見せつけた彼は、瞬く間にエウロス飛行隊のトップエースに上り詰める。その彼をして悩ませていたのがエウロスの後継者問題だった。というのも、No.2、No.3のエリオットマクラレンはシベリウスとは年も近く、後継者には向かなかったからである。また同時に、若手に隊長となるに相応しい「器用さ」を持った者を見いだせなかった。そこに起きたのが2084年の士官学校襲撃事件。その際に士官学校に配備されていた老朽機F102イクシオンを巧みに操り、敵機を撃墜せしめたのが、後の隊長カティ・メラルティンだった。カティは一時期空軍の一部隊に所属するものの、あっという間にシベリウスの手によってエウロスの見習いパイロットとされ、度重なる出撃を経て正式にエウロス時期隊長の太鼓判を押されることとなる。カティは自称「不器用」だったが、シベリウスには十分に「器用」に見えたようであり、また、実際にその判断は正しかった。カティは政治力も(何だかんだいって)優れていたし、の才能にも(無自覚に)長けていた。何よりシベリウスを凌ぐ「カリスマ性」があった。

そんな経緯がありながら、エウロス飛行隊はついにカティの登場によって「史上最強の航空部隊」と呼ばれるに至る。実際に、世界のどこを見てもエウロス飛行隊と渡り合えるような航空戦闘部隊などいなかった。強いてあげるならば、アーシュオンの「マーナガルム飛行隊」がエウロスを脅かしたことがあるのだが、その配備数がエウロスは(当時)60機前後、マーナガルムは最大で12機と圧倒的に差があるため、エウロスを追い詰めるところには至れなかった。また、「セイレネス・ロンド」に於いてはマーナガルム飛行隊の隊長「白皙の猟犬」ヴァルター・フォイエルバッハが、カティと互角に渡り合っている。エウロスの危機といえばその時くらいで、それ以後はまったくもって無敵状態が続いている。

カティの時代には、エウロスは三部隊で構成されている。エンプレス隊24機、ジギタリス隊24機、ナルキッソス隊24機。飛行士については、予備人員を含めて常時100人体制で動いている。他、整備や兵站の要員は全部で1万名近い規模になっている。それを束ねているのが、「空の女帝」カティである。飛行士としても超一流だが、管理者としても一流である。ちなみにカティの副官は、シベリウスの時代からシベリウスのデスクワークの補助をしていたマルヤーナ・エルスナーである。エルスナーはデスクワークの達人であり、エウロスの生き字引きとも言える人物である。エルスナーの几帳面さに、カティは大いに助けられているのだ(見えないところで)

国民からの人気も「空の女帝」を始めとして圧倒的に高い。歌姫艦隊(第一・第二艦隊)をも凌ぐほどの人気を誇る部隊である。ついでにいうと、「空の女帝」カティ・メラルティンの人気も、D級歌姫ディーヴァであるヴェーラレベッカとほとんど並ぶ。

エンプレス隊は文字通りカティが直接指揮を執る部隊であり、エウロスの中でも更に一層変態じみた能力を持った24人が選抜されている。ちなみに副隊長は「(二代目)暗黒空域」カルロス・パウエル。彼もまたカティと同じく(しかもカティより若くして)F102でアーシュオンの最新鋭機とほとんど互角に渡り合った。その時に彼を救援したのが、「(初代)暗黒空域」カレヴィ・シベリウスであった。他の22人、エンプレス3~22までは、名前こそ出てこないが一機で十倍の敵を相手取ると言われている。

ジギタリス隊は「静心」に於いては登場しないマクラレン中佐の部隊である。マクラレン中佐はエンプレス隊にいて然るべき人材であるが、カティは先代隊長シベリウスの時の体制のまま、ジギタリス隊を完全に任せている。隊長のマクラレンの堅実さを受け継いだ、基本に忠実な(だがしかしそのレベルは神の領域)戦闘技術を誇る。

ナルキッソス隊は「静心」にも登場しているエリオット中佐の部隊である。エリオット中佐もまた恐ろしいほどの戦闘技術を誇るが、年齢が四十代半ばとなっているため、最前線からは一歩引いたところでのバックアップ行動を任されることが多い。ナルキッソス隊の特徴はその精緻な連携攻撃にあり、広い空域を完全に計算しつくされた戦術でカバーする。エンプレス隊やジギタリス隊がそれぞれの部隊の行動に専念できるのは、ナルキッソス隊の支援行動あってのものだということもできる。近接格闘戦ドッグファイトの能力だけではなく、論理戦闘技術も極めて高い、頭脳の変態が揃った部隊でもある。

この三部隊が揃っていることが、エウロス飛行隊を圧倒的最上位に君臨させているとも言える。「空の女帝」や「暗黒空域」の個人技では、部隊として信頼を置かれることはなかっただろう。

また、隊長であるカティに「エキドナ」が配備されて以降は、もっぱら歌姫たちの支援行動に力を割いているようだ。(もちろん通常の遊撃行動も行う)
「静心」以後も、航空戦力のない歌姫艦隊にとっては最高に心強い後ろ盾となっている。

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