歌姫は幻影と歌う

本文-ヴェーラ編1

03-4-2:束の間の

↑previous  ヴェーラを除く四名は、一日で食べたピザの量記録を更新し、どことなく憂鬱な表情を見せていた。ヴェーラは一人大食い選手権を繰り広げており、それがまた各人の表情を|暗澹《あんたん》とさせていた。  カティはコー...
本文-ヴェーラ編1

03-4-1:ヴェーラからのアプローチ

↑previous  カティたちが駐車場についたちょうどその時、カティが左手に持っていた|携帯端末《モバイル》が規則的に震え始めた。着信である。カティはエレナに捕まえられていた右腕を自由にしてから、ヨーンの車を前にして|携帯端末《モ...
本文-ヴェーラ編1

03-3-5:傍観者

↑previous  夕刻に行われたユーメラ大規模空襲。それは士官学校での教練を終えて、一同まさに引き上げようとした頃に起きた事件だった。士官候補生たちのほとんどは今、ロビーや食堂に集まっていた。講堂も開放されており、そちらにも数百...
本文-ヴェーラ編1

03-3-4:小さな英雄

↑previous  なんだよ、こいつぁ。この景色は……。  人口八十万、ヤーグベルテ南部の大都市の一つは、焼け落ちていた。いったいどんな攻撃を食らったらこんなことになるのかと言いたいほどの惨憺たるありさまだった。上空には敵機...
本文-ヴェーラ編1

03-3-3:襲来

↑previous  間に合え! 間に合え――!  強烈な加速度を全身に感じながら、暗黒色の|航空甲冑《フライトスーツ》を身に着けた男が噛み締めた奥歯の奥から声を絞り出す。半透明のバイザー越しにも明らかなその眼光は、異常に鋭利...
本文-ヴェーラ編1

03-3-2:You’ve bewitched me.

↑previous  肩を怒らせながら食堂を出たカティは、その足で真っ直ぐにガーデンスペースへと移動した。ガーデンスペースは食堂や廊下と比べて室温が低く保たれており、考え事をするのにはうってつけ――と、エレナに聞いたことがあったから...
本文-ヴェーラ編1

03-3-1:僕は迷わない

↑previous  それから二週間が経過する頃には、カティの同期たちも|F102《イクシオン》をそれなりに飛ばせるようにはなっていた。もちろん適性の問題はあるにしても、飛ぶだけなら全員が|一端《いっぱし》のパイロットだった。それぞ...
本文-ヴェーラ編1

03-2-6:選択的犠牲

↑previous  K.I.A.、すなわち戦死だった。カティ、エレナ、ヨーンの三名はフェニックスの撃ち込んできた核ミサイルによって蒸発したのだ。敵にフェニックスという高価な兵器を運用させたことと、最新鋭攻撃機|FAF221《カルデ...
本文-ヴェーラ編1

03-2-5:極限のシミュレーション

↑previous  カティ、エレナ、そしてヨーンの三名がそれぞれにシミュレータで機体を飛ばす。カティたちクリムゾン隊が離陸した直後に飛来した数ダースもの巡航ミサイルが、滑走路や基地施設を破壊する。これで帰る家がなくなった。カティは...
本文-ヴェーラ編1

03-2-4:国家のオーダー

↑previous  年末年始休暇が終わるや否や、士官学校には日常が戻ってきた。カティとエレナの顔にうっすら残っている青アザは、多くの候補生たちの憶測を呼んだ。休暇中になにごとか大喧嘩をしたのだという噂が独り歩きし、エレナの取り巻き...
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