小説

本文-静心

#99-99: 心静かに花は散る――。

雨音が静かに浮かんでは消えていくのを聞きながら、私は今、ベッドに寝転がりながら、先の「イザベラの反乱」についてのサムが書いた特集記事を読んでいる。珍しくも|紙媒体《ペーパーメディア》の雑誌だった。ちなみに何度読んだかは数えていない。暗記する...
本文-静心

#08-08: ことづて

コア連結室から|艦橋《ブリッジ》まで、私は声を上げて泣きながら歩いた。コア連結室の外でジョンソンさんが待っててくれなかったら、途中で動けなくなっていたに違いなかった。無力感とか絶望感とか、そんな陳腐な言葉では表すことができないほど、胸に空い...
本文-静心

#08-07: To Be.

目を覚ました私は、白い空間に倒れていた。どこを見ても白。上も下も距離感もない、白。なんとなくだけど、ここがセイレネスによって作られた空間だという感触はあった。景色が見えないだけで、体感的にはさっきまでとほとんど変わらない。違うと言えば、自分...
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#08-06: Love all, trust a few, do wrong to none.

殺戮だった。文字通りの大虐殺だった。セイレーン|EM《イーエム》-|AZ《エイズィ》を守る艦艇は、その尽くが粉砕された。エディタが率いる|V級歌姫《ヴォーカリスト》たちは――もちろんレオンも――本当に容赦がなかった。「もういい!」 私は叫ぶ...
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#08-05: 背明のセイレーン

二〇九九年一月一日、夜明け前――。  たったの三十五キロメートル。 私たちがイザベラの艦隊を検知した――というより視認できた――のは、そこまで接近できてからだった。散開索敵に入っていた第七艦隊や、エウロス飛行隊の海上機動要塞アドラステイアを...
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#08-04: 烈火の如く

あの後すぐに私たちはカワセ大佐と合流した。マサリク大統領は「改めて、頼む」と私たちと握手を交わして大統領府へと帰っていった。「あの演説の台本はどうだったかしら?」 カワセ大佐はそう言いながら私たちにスポーツドリンクを買ってくれた。ちょうどよ...
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#08-03: レイズ・ザ・カーテン

いわば年末――私たちは海軍の査問会に呼び出され、先の戦いのあまりの不甲斐なさについて四方八方から糾弾された。そのどれもが、疲労しきった私とアルマには厳しく、そして同時に本当にくだらないものだった。ヴェーラやレベッカもこんな連中の相手をさせら...
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#08-02: 総力戦――なれど。

レベッカの戦死から二週間ばかり。私たちは戦場にとんぼ返りしていた。イザベラが戦場を指定してきたからだ。今回はこちらも盤石の布陣で、私たち「|歌姫艦隊《ディーヴァ・アルマダ》」に加え、クロフォード提督率いる第七艦隊のバックアップがあった。さら...
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#08-01: 愛するからこそ、汚れたい

ウラニアは沈んだ。何事もなかったかのように、あっさりと沈んでしまった。エディタ・レスコ中佐の「撤退」の言葉がなければ、私はただただ立ち尽くしていただろう。その頃にはアキレウスのシステムもすっかり回復していた。イザベラが干渉をやめたのだろう―...
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#07-04: 歌われる怒り

沈め、呪われし|歌姫たち《セイレネス》! 没せよ、|汚《けが》らわしき者どもよ! イザベラの破壊の歌が響き渡る。百数十キロの距離などお構いなしに、その《《歌》》は私たちに届いた。 アーシュオンの戦闘艦は|尽《ことごと》く無残に沈んだ。生首歌...