静心にて、花の散るらむ

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#07-02: センター

 十二月一日、二二〇〇時――。  誰も何も言わない。レスコ中佐も何も言わない。レベッカもまた、沈黙を守る。無音という|喧騒《ノイズ》の内側で、私たちは暗黒の海を粛々と進む。  私は|艦橋《ブリッジ》の督戦席で、ぼんやりと闇の空...
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#07-01: This day…

 二〇九八年十一月二十五日。その日、ヤーグベルテの第十三・十四連合艦隊がアーシュオンによる奇襲攻撃を受けて全滅した。その日が、私たちにとっての運命の日となったことは間違いがない。  その日は、第一艦隊にとっては、今年度初めての練習航...
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#06-02: セッティング

 私たちは参謀部第六課の保有する会議室に放置された。私たち、というのは、レオンと私のことだ。なぜこんなところに連れてこられたのか、今一つ釈然としないままに、私とレオンは隅の方にある椅子に並んで座っていた。 「やっぱり、あの戦闘のこと...
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#06-01: 帰還

 犠牲者は、|C級歌姫《クワイア》四名および乗組員。亜音速魚雷の直撃で、全員ほぼ即死だったという。中小破艦もあるにはあったが、レオンもエディタも無傷だった。もちろん私のアキレウスや、旗艦ウラニアも。  私たちは駆けつけた第三艦隊と合...
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#05-05: 血色の海

 私たちはその足ですぐに|艦橋《ブリッジ》に向かう。それと同時に、エディタからの緊急通信が届く――私たちが一瞬早く気付いたということだ。 『提督、敵性存在を検知しました。ナイアーラトテップも複数検出されています』  |艦橋《ブ...
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#05-04: レベッカの述懐

 私に与えられたのは黒い駆逐艦・アキレウスだった。|C級歌姫《クワイア》が搭乗する駆逐艦よりは明らかに大きな、|制海掃討駆逐艦《バスター・デストロイヤー》という新しい艦種だ。戦艦の半分以下というサイズに、私もアルマも一瞬何が起きているのか...
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#05-03: 優しい毒

 私とアルマは進行方向に向いて座り、イザベラとレベッカは私たちに向かい合って座った。運転席にはタガート曹長、助手席にはジョンソン曹長がいた。二人は見るからに強そうな、大柄の男性下士官だった。車が発進するのと同時に、「あっ」と私は思い出す。...
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#05-02: ディーヴァとの対面

 それから約一年。私たちはあれよあれよという間に士官学校を卒業する日を迎えてしまった。そんなわけで今、私たちは卒業式後の立食パーティの会場にいる。会場にはレニーと|V級歌姫《ヴォーカリスト》が勢揃いしていた。今日に限っては、領海哨戒は第七...
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#05-01: レネ・グリーグの実戦配備

 カワセ大佐とハーディ中佐の一触即発状態はそれから一年以上続いた。結果として、カワセ大佐はハーディ中佐から、第一・第二艦隊――通称|歌姫艦隊《ディーヴァ・アルマダ》――に関するありとあらゆる権限を奪い、第一・第二艦隊に対してあらゆる命令を...
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#04-05: レイニー・セメタリー

 黄昏にはまだ早い時間だ。|携帯端末《モバイル》で素早く時間を確認して、私はカワセ大佐と(なぜか)手をつないでいた。レオンが複雑な表情をしているのが見えたが、成り行きでそうなってしまったのだから仕方ない。まさか大佐の手を振り払うわけにもい...
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