海軍の提督の中で最高の指揮能力を有する男、それがこの「潜水艦キラー」クロフォード提督である。年の頃は「静心」最終場面あたりで45歳前後。「静心」では「中将」で登場しているが、「セイレネス・ロンド」ではこの時点での階級は「少将」――で、おとなしくしてれば中将か、あるいは大将であったとも言われている。彼は上官を殴ったりなんだりととにかく粗野粗暴であるといわれており、そのたびに降格を始めとする数々の処分を受けていることに、当時の参謀部第六課統括であるところのエディット・ルフェーブルも悩まされていたようである。ちなみにとても毒舌家である。
2080年代前半には左遷先として、士官学校の教練代表就任、事実上の校長のようなポストに異動させられている。その士官学校は、2084年には大規模な襲撃事件に遭遇しているのだが、その折には彼は既に最前線に復帰していた。また、士官学校在学中のヴェーラ、レベッカ、カティとも接触しており、彼の「自由な気質」が遺憾なく発揮されている。ヴェーラ&レベッカとの初対面時には、二人が唖然とするほどのインパクトを残している。
彼の所属は「第七艦隊」である。第七艦隊は、敵国アーシュオンには(歌姫艦隊を除いては)最も恐れられている神出鬼没の機動打撃群である。また、旗艦として物理・論理両面から艦隊を消し去ってしまうという超隠蔽システムを有する最新鋭航空母艦ヘスティアが配備されてから後は、「味方からですら探査不能な戦闘集団」となる。それ以後、クロフォードはさらなる勢いを持ってアーシュオンの奇襲作戦を片っ端からくじいていくのである。また、アーシュオンの艦隊の中核をなすのが潜水艦艦隊であるが、クロフォードは対潜戦闘に関しては「悪魔のようなカンの鋭さ」を有しており(実際には論理と計算の賜物なのだが)、アーシュオンの通常潜水艦艦隊の動きを事実上封じてしまっている。が、クロフォードの力をもってしても、アーシュオンの超兵器である潜水艦・ナイアーラトテップを阻止することは不可能である。ナイアーラトテップの艦載機であるロイガーやナイトゴーントにも同様に手が出ない。
が、静心の劇中で、第七艦隊および、「空の女帝」カティ・メラルティンの率いるエウロス飛行隊エンプレス隊との共同作戦で、ナイアーラトテップを撃沈せしめているという情報が入ってくる。コレはヤーグベルテにおける一つの岐路となり、セイレネス・ロンドの方ではナイアーラトテップを撃破できるメンツがだんだんと増えていくのだが、「静心」作中ではそんな芸当ができるのは歌姫艦隊のメンツを除けば、唯一カティのみである。そのカティたちを最前線に運ぶ重要な役割を果たしたのが、クロフォードの第七艦隊、そして空母ヘスティアである。
また、純粋に戦闘指揮官としても極めて優秀であり、カリスマ性も極めて高い。国民の多くもクロフォードの実績は承知しており、海軍将兵たちも通常艦隊の花形であるところのこの第七艦隊に所属することを目指している者が多い。
なお、金髪碧眼のイケオジである。多分、エリオット中佐あたりとキャラがかぶる。
彼のもう一つの、いわば裏の顔については「ヘスティア」のページにもあるのでぜひ参照のほど。