ウェズン

ステージセット ステージセット-静心
BattleShip Design: サトウシゲル

歌姫養成科第一期生、V級ヴォーカリストクララ・リカーリ専用軽巡洋艦。テレサクー・シーと共に超高機動戦闘艦とも。

クー・シーとは常にセットで運用されるが(所属も同じ第一艦隊)、同型艦ではない。アルデバランレグルス同様、歌姫艦隊の戦術研究のために、特性の違う艦として作り出された。クララとテレサはセイレネスの能力という意味では、同期のエディタトリーネには劣っていた。そのため、艦自体の機動性を向上させて、セイレネスは攻撃力に全振りできるようにした――のが、本艦とクー・シー。機動性と攻撃力に特化したという意味では、クー・シーと同様。

両艦のコンセプトの違いは作中では明確に表されていないが、歌姫セイレーンに関わらない部分が違っている。ウェズンはジェネレータの小型化を目標にしているため、エネルギー供給量が少なく、そのために光学兵器は搭載されていない。一方で、クー・シーはジェネレータのサイズは重巡洋艦クラスを維持した上で、出力を向上させようという試みがあった。結果として本艦・ウェズンの小型化が思いの外うまくいき、その結果は2098年にロールアウトした新艦種・制海掃討駆逐艦バスター・デストロイヤーマリオンのアキレウス、アルマのパトロクロス)に生かされている。

また、操艦に於ける補助演算装置も設計思想が異なっており、ウェズンは人主導、クー・シーはシステム主導となっている。ウェズンの方は、ジェネレータがピーキーでありすぎたために演算装置の構築・実装が間に合わず、そのため操艦のエキスパートたちが集められただけ――とも言える。かなりのジャジャ馬らしく、彼らをしても扱いには苦慮したようだが、それでもこのウェズンとクー・シーによるユニット攻撃には、アーシュオンは手を焼いていた。クララもテレサも、アーシュオンへの復讐に燃えていたため、容赦という言葉を全く知らなかったからである。そして悪いことに、二隻とも比肩するもののない超高速艦であり、アーシュオンは何もさせてもらえずに全滅することすらあった。無論、退却も許されない。

ウェズンもクー・シーも、軽装甲艦であるにも関わらず、最後のその戦いまで目立った被害を受けていない。それは歌姫セイレーンたち、クルー、そして両艦のシステム――それらがいかにうまく噛み合っていたかの証拠と言えるだろう。

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