本文-静心 #04-04: 絶対的な正義となるもの 参謀部ナンバーの付いた黒いセダンの後部座席には、なぜかレオンが座っていた。寮に帰ってくるにはまだ早いだろうと思っていた私たちは仰天して硬直する。昼下がりの雨が、私たちの頭と肩をしとしとと濡らしていく。 「マリーは助手席。レオナの隣... 2021.07.02 本文-静心静心にて、花の散るらむ
本文-静心 #04-03: 夏の休暇の頃 あと一ヶ月で二年生になる。学業と訓練以外に、戦闘補助のタスクも増えた。補助といっても、事後処理の方だ。レニーのように戦場に遠隔で帯同するようなタスクは未だ与えられていない。レニーが支援している現場や、作戦指揮中の参謀部第六課を見学したり... 2021.07.02 本文-静心静心にて、花の散るらむ
本文-静心 #04-02: 女帝の右腕・エリオット中佐とのダイアログ 十九時ちょうどに始まった特別講座には、案の定メラルティン大佐は現れなかった。会場のセイレネス・シミュレータルームに姿を見せたのは、エウロス一の|優男《やさおとこ》と呼ばれる――と、アルマが教えてくれた――エリオット中佐だった。ナルキッソ... 2021.07.02 本文-静心静心にて、花の散るらむ
本文-静心 #04-01: セルフィッシュ・スタンド回収事件 五月の上旬――桜は咲くや否や散った。 窓から外を見ていたレオン――寝る時以外は、当然のように部屋に居座っている――は、柔らかな春の青空を見上げ、次に視線を地面の方へと向けた。そうしてから、レオンは窓に背を向けて、私からコーヒー入... 2021.07.02 本文-静心静心にて、花の散るらむ
コメンタリー-静心 #02-01-02:マリーは柴犬らしいよ。 これは「02-01: 五年後――私たちは士官学校にて再会する」に対応したコメンタリーです。 さて、前回は「ナイト・フライト・イクシオン」から色々アレしましたが、今回はマリーが柴犬かもしれないというお話です。嘘です。 「|D級《... 2021.07.02 コメンタリー-静心静心にて、花の散るらむ
コメンタリー-静心 #02-01-01:士官学校で再会! これは「02-01: 五年後――私たちは士官学校にて再会する」に対応したコメンタリーです。 時間は飛んで、2095年です。ちなみに士官学校の年度は10月スタート。前回マリオンとアルマが遭遇しているのが2090年8月なので、5年ちょっ... 2021.07.02 コメンタリー-静心静心にて、花の散るらむ
本文-静心 #03-07: 深い淵に隠した歌 もう一回お願い――私はそう言っていた。アルマは何も言わずにまたその幸せそうな映像を再生してくれる。やっぱり、それはヴェーラによるプライベートライヴだ。そして私たちは例外なくこの歌を知っているし、当たり前のように歌うことができる。 ... 2021.07.02 本文-静心静心にて、花の散るらむ
本文-静心 #03-06: 参謀部第六課の会見 イザベラ・ネーミア提督の処女戦では、|超兵器《オーパーツ》・ナイアーラトテップ|M《量産》型十五隻および新型ナイアーラトテップ、そして三個艦隊を殲滅したという「超」がつくほどの大戦果を上げた。もっとも、新型ナイアーラトテップは自爆兵器で... 2021.07.02 本文-静心静心にて、花の散るらむ
本文-静心 #03-05: イザベラの処女戦 四月にはなったけど、桜はまだ咲く気配もない。私の施設があったところでは、とっくに散ってしまっている頃合いだというのに。ヤーグベルテの国土はなるほど広大だなと思わされる。そして今、正午をまわった頃。イザベラ・ネーミア提督による処女戦が始ま... 2021.07.02 本文-静心静心にて、花の散るらむ
本文-静心 #03-04: 西風に。 大講堂からの帰り道、レニーは用事があるということで、そのままどこかへ行ってしまった。アルマとレオン、そして私は何となく部屋に戻る。440Hzで開く扉は、やっぱり442Hzで開ききる。閉じる時も同じだ。 「もー、さすがに嫉妬する!」... 2021.07.02 本文-静心静心にて、花の散るらむ