静心にて、花の散るらむ

本文-静心

#01-02: 二年後――二〇九〇年八月

 ええと……これは、つまり?  完全に、迷子になっちゃったってこと……なのかな?  ゲートの開場を待ちわびる人々の|喧騒《ノイズ》の中で、私は一人途方に暮れている。  未だ蒸し暑いコンサート会場前広場。見たことがないくらいに広...
本文-静心

#01-01: セイレネス・ロンド

 二〇八八年六月十二日、現地時間・午前五時――。  四隻の駆逐艦を随伴しているのは、二隻の超巨大戦艦——その全長は航空母艦の二倍にも達する。白銀に輝く流線型の艦体は、未だこの世に現れたことのないフォルムだった。補給と戦艦のシステムチ...
コメンタリー-静心

#01-01-03:殲滅!

「01-01:セイレネス・ロンド」に対応したコメンタリーとなります。 さて、前回までで|敵国《アーシュオン》の航空機部隊が殲滅されてしまうわけですが、その事態を受けて、アーシュオンの三個艦隊は一転逃げを打ちます。が、ヴェーラもレベッ...
人物-セイレネス・ロンド

03. レオノール・ヴェガ(レオン/レオナ)

――マリー。私はこの手を汚すことに|躊躇《ためら》いはない。 愛称は「レオナ」なのだが、マリオンだけは「レオン」と呼ぶ。また、レオノールもマリオンにしか「レオン」と呼ぶことを許していない。マリオンとは深い恋仲となり、(少なくとも)軍...
コメンタリー-静心

#01-01-02:戦闘開始

「01-01:セイレネス・ロンド」に対応したコメンタリーとなります。 さて、敵の攻撃機がぶわーーーーーっと迫ってくるというところ。この時代の航空機はアビオニクスが大きく進化しているので、現代航空機とは結構違う形をしているはず。ドラッ...
コメンタリー-静心

#01-02-02:謎の大佐さん

これは「01-02: 二年後――二〇九〇年八月」に対応したコメンタリーです。 さてさて、第二話の後半です。 アルマはマリオンをグイグイ引っ張っていきます。「迷子センター」に行こうと提案するアルマに、マリオンは「多分無駄」みたい...
人物-セイレネス・ロンド

02. アルマ・アントネスク

――他人のつらさを感じようと頑張ってみた所でね、自分のつらさが変わるわけじゃないんだよ。自分が誰それと比べて相対的につらいとか、つらくないとか。そんなの、何の意味もない考え方なんだ。だからね、今、自分がつらいと思うなら、つらいんだ。絶対に...
人物-セイレネス・ロンド

01. マリオン・シン・ブラック(マリー)

――私たちのこの剣は、仲間同士で切りつけ合うためのものじゃない! 主人公。主人公である。重ねて言うが|主《・》|人《・》|公《・》なのである。 4歳の頃、敵国アーシュオンによるISMT(インスマウス)と呼ばれる|超兵器《オーパ...
コメンタリー-静心

#01-01-01:戦艦登場!

「01-01:セイレネス・ロンド」に対応したコメンタリーとなります。 さていきなりの展開ですが、戦艦が登場します。戦艦です。戦艦大和とかアイオワとかいう意味の戦艦。 本作「静心にて、花の散るらむ」は、ここではない世界ではありま...
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