小説

本文-ヴェーラ編1

04-1-4:プロトコルとゲートウェイ

↑previous  ちょうどその頃、クロフォードは執務室にて険しい顔をして壁掛けのディスプレイを睨んでいた。そこにはヤーグベルテの支配域と戦闘域、被害状況が表示されている。今は戦闘は発生していないようだったが、アーシュオンの潜水艦...
本文-ヴェーラ編1

04-1-3:If Winter comes, can Spring be far behind?

↑previous  二〇八三年十月、ユーメラ大空襲から八ヶ月少々が経過していた。あの後もアーシュオンは散発的な攻撃を仕掛けてきてはいたのだが、ヤーグベルテの上層部はともかく、艦隊および防空を担う最前線部隊は奮起した。本土防衛に関し...
本文-ヴェーラ編1

04-1-2:黒い影

↑previous  コーヒーカップをソーサーに戻すなり、シベリウスの|携帯端末《モバイル》に着信があった。空中に浮かび上がったのは、「エリソン・パウエル」の名前だった。シベリウスは面白くなさそうに鼻を鳴らすと、|携帯端末《モバイル...
本文-ヴェーラ編1

04-1-1:ニュース

↑previous  新聞が主たるサービスを電子媒体に移行してから約半世紀が経過しているのだが、未だなお、|紙媒体《ペーパーメディア》にこだわる購読者層というものはある程度存在している。雑誌も、小説も、漫画も、ありとあらゆる文字文化...
本文-ヴェーラ編1

03-4-4:フェイスレス・ヴァルキリー

↑previous  なるほどねぇ。  バルムンクの作り出す《《闇》》の中で、ジョルジュ・ベルリオーズはどことなく楽しそうな表情を浮かべていた。それは冷徹な彼にしては珍しいことだった。 「まったく、《《彼》》はずいぶんと...
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03-4-3:主任会議

↑previous  カティたちがそんな緊迫感あふれる時間を過ごしている|最中《さなか》、クロフォードたち士官学校の責任者たちは揃いも揃って苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。クロフォードの執務室の中には、クロフォード中佐本人...
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03-4-2:束の間の

↑previous  ヴェーラを除く四名は、一日で食べたピザの量記録を更新し、どことなく憂鬱な表情を見せていた。ヴェーラは一人大食い選手権を繰り広げており、それがまた各人の表情を|暗澹《あんたん》とさせていた。  カティはコー...
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03-4-1:ヴェーラからのアプローチ

↑previous  カティたちが駐車場についたちょうどその時、カティが左手に持っていた|携帯端末《モバイル》が規則的に震え始めた。着信である。カティはエレナに捕まえられていた右腕を自由にしてから、ヨーンの車を前にして|携帯端末《モ...
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03-3-5:傍観者

↑previous  夕刻に行われたユーメラ大規模空襲。それは士官学校での教練を終えて、一同まさに引き上げようとした頃に起きた事件だった。士官候補生たちのほとんどは今、ロビーや食堂に集まっていた。講堂も開放されており、そちらにも数百...
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03-3-4:小さな英雄

↑previous  なんだよ、こいつぁ。この景色は……。  人口八十万、ヤーグベルテ南部の大都市の一つは、焼け落ちていた。いったいどんな攻撃を食らったらこんなことになるのかと言いたいほどの惨憺たるありさまだった。上空には敵機...
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