小説

本文-ヴェーラ編1

03-1-6:エレナの涙

↑previous 二人はピザ屋の駐車場で参謀部の車に拾われて帰っていった。一人になってしまったカティは少し思案した末に、一人でドライブをしてみようと思い至る。市街地から抜ける頃になって、細かい雪が振り始めてきた。気温が下がっているから、雪...
本文-ヴェーラ編1

03-1-5:ピザ屋で語り合う未来

↑previous |藍色《インディゴ》の大衆車がカティが初めて手に入れた乗用車だった。無論、中古車であるが、当然のように|自動運転《オートマ》機能がある。玄関でヴェーラとレベッカを乗せ、目的地を確認するために|携帯端末《モバイル》を確認す...
本文-ヴェーラ編1

03-1-4:歌姫戦艦

↑previous シミュレータの筐体から出た時には、カティは汗だく状態になっていた。空戦の緊張感による影響……はそれほどではない。最後の最後、戦艦たちがオーロラを放って一気に戦闘を終結させた時に、カティは得体の知れない感覚を覚えた。この汗...
本文-ヴェーラ編1

03-1-3:シミュレータの中で

↑previous 多弾頭ミサイルの群れが、敵機に襲いかかる。だが、敵は五倍。敵機からも当然、五倍のミサイルが放たれてくる。カティたちは更に散開し、各個に退避行動に移る。隊長機であるカティには全部で二十もの弾頭が迫ってきていた。カティは特集...
本文-ヴェーラ編1

03-1-2:セイレネス起動実験

↑previous フェーンはそんなカティの様子をしばらく眺め、何かに納得したのか無表情のままで小さく頷いた。「|歌姫計画《セイレネス・シーケンス》の名前は誰もが知っているところだと思うが、その実態は限られた者しか知らない。簡単に言えば、ア...
本文-ヴェーラ編1

03-1-1:協力要請

↑previous 暦が二〇八三年に変わる。カティは壁に投影されているカレンダーをぼんやりと眺めながら、年末年始休暇の後半戦をどのようにして|凌《しの》いだら良いものかと思案していた。寮に住むほとんどの候補生は帰郷してしまっており、共用部の...
本文-ヴェーラ編1

02-3-7:ファウストの右、ファウストの左

↑previous あれ? エレナは首を振る。ひどく肩が張っていて、少し頭痛もした。そしていつからか知らないが、ハルベルトが目の前に立っている。「だいじょうぶ?」「いつからいたのよ、あんた」 強がってみせるも、なぜか力が入らない。「疲れてる...
本文-ヴェーラ編1

02-3-6:徘徊する影

↑previous カティとヨーンが昼食を終えた、その頃である。 エレナは一人、士官学校中庭に備え付けられている小さなガラス張りの建物――通称ガーデンスペースのベンチにて、読書をしながらサンドイッチを食べていた。室温は二十度もなかったが、季...
本文-ヴェーラ編1

02-3-5:ユア・マジェスティ

↑previous 空軍士官候補生たちにとって、目指すべき目的地は一つだ。即ち、四風飛行隊への配属である。その中でも花形である戦闘機パイロットとなると更に狭き門である。そもそも、空軍士官候補生の中でも|戦闘機乗り《パイロット》として戦える者...
本文-ヴェーラ編1

02-3-4:配備される型落ち機

↑previous クロフォードは自室に戻るなり、応接用のソファに深々と座り込む。視線の先には壁に設置された電子地図がある。ヤーグベルテとアーシュオンの間の海域の数カ所が、小さく赤く点滅している。クロフォードが組み上げたプログラムが算出して...