小説

本文-ヴェーラ編1

04-3-4:悪魔の代名詞

↑previous  事態は第三課の思惑通り、ということなのか?  《《異次元の手》》、エイドゥル・イスランシオは、赤とも茶色とも言い切れないガラスのように無機的な瞳で、目の前の空中投影ディスプレイを見つめている。無造作に伸び...
本文-ヴェーラ編1

04-3-3:インダルジェンス

↑previous  ヴェーラとレベッカは二人の部屋のリビングのソファに隣り合って座っていた。レベッカの|携帯端末《モバイル》に、シベリウスたちが参戦した海域の戦闘状況が映し出されている。ヴェーラの|携帯端末《モバイル》の方には報道...
本文-ヴェーラ編1

04-3-2:見えるモノ、見えないモノ

↑previous  第一艦隊旗艦・航空母艦ヘスペロス、轟沈。それに続いて第二艦隊旗艦・航空母艦エレクテウス、消滅。バシン、という妙な音が空域を埋め尽くしたと思ったら、エレクテウスは巨大な渦を残して消えていた。ヘリや戦闘機が海上を漂...
本文-ヴェーラ編1

04-3-1:陰謀の制空戦闘

↑previous  十三機の黒い戦闘機。その先陣を切るのは、無論のこと《《暗黒空域》》カレヴィ・シベリウス大佐の|F108P-BX2《パエトーンストラトス》である。現行技術を一つ飛び越えた、脳波コントロールを主体とする操縦系を持つ...
本文-ヴェーラ編1

04-2-4:パエトーンストラトス

↑previous  シベリウスは|F108P-BLX《ブラックパエトーン》の改良型である新型機、|F108P-BX2《パエトーンストラトス》で先陣を切る。戦闘空域まであと二時間。昼前には到着できるはずだ。南北に長いヤーグベルテの領...
本文-ヴェーラ編1

04-2-3:核攻撃

↑previous  そのシミュレーション訓練から約三ヶ月。ヤーグベルテ統合首都にもほのかに春の足音が聞こえて来る頃である。この三ヶ月間、アーシュオンからの小規模な攻撃が止まることはなかった。アーシュオンの誇る潜水艦機動艦隊による神...
本文-ヴェーラ編1

04-2-2:vs 暗黒空域

↑previous  シベリウスの強さは圧倒的だった。実戦と全く変わらないシャープな|機動《マニューバ》でカティたちを翻弄する。天才とさえ称されるカティが、完全に遊ばれていた。ヨーンやエレナは、ついていくのが精一杯というありさまだ。...
本文-ヴェーラ編1

04-2-1:シベリウスの演説

↑previous  雪が降りしきる年の暮れ、カティたち上級高等部二年の空軍候補生たちは、小さめの講堂に集められていた。候補生数十名の表情は等しく緊張している。それもそのはずだ。演壇に立っているのは、あの《《暗黒空域》》カレヴィ・シ...
本文-ヴェーラ編1

04-1-4:プロトコルとゲートウェイ

↑previous  ちょうどその頃、クロフォードは執務室にて険しい顔をして壁掛けのディスプレイを睨んでいた。そこにはヤーグベルテの支配域と戦闘域、被害状況が表示されている。今は戦闘は発生していないようだったが、アーシュオンの潜水艦...
本文-ヴェーラ編1

04-1-3:If Winter comes, can Spring be far behind?

↑previous  二〇八三年十月、ユーメラ大空襲から八ヶ月少々が経過していた。あの後もアーシュオンは散発的な攻撃を仕掛けてきてはいたのだが、ヤーグベルテの上層部はともかく、艦隊および防空を担う最前線部隊は奮起した。本土防衛に関し...
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