小説「静心にて、花の散るらむ:歌姫による戦争継続のメソッド」のINDEXです。
「静心にて、花の散るらむ」とは?
コミカライズ計画
作品目次
Intro.
二〇八八年六月十二日――「歌姫」が戦場に現れたこの日を境にして、世界は確実に変わってしまった。圧倒的な戦闘力を有する「歌姫」たちは、たったの二人で戦争を変えてしまった。当時私は八歳だったけど、その時に聞こえた「歌」に得体の知れない恐怖を感じたのを覚えている。
「歌姫」のことはその前から知っていた。あの人たちは私たちにとって絶対的なアイドルだったから。だから、まさかその二人が、あんな巨大な――「戦艦」に乗っていると知った時には、本当に言葉を失った。
時は過ぎ、私が十五の時、軍の人たちが私の住んでいた施設にやってきた。そして士官学校の「歌姫養成科」を案内された。その時にはすでに、私の「歌姫」としての能力は発現していたらしい。軍の人たちは何らかの方法でそれを知って、だからわざわざ訪ねてきたのだ。同期のみんなもそうだって――。
そして同時に、その頃には、この忌々しい「歌姫計画」が――戦争継続のメソッドが、動き始めていたのだろうと思う。歌姫計画――セイレネス・シーケンス。多くの人を狂わせる歌。当事者である私たちですら、その流れには抗えなかったんだ……。
Chapter1. セイレーンは歌う
Chapter2. 戦争は――いまや、娯楽なんだよ。
Chapter3. 夢は泡沫にして、凄烈なるもの
- 03-01: ディーヴァの夢は醒めゆく
- 03-02: 私たちは十字架を引き継ぐことを決めた
- 03-03: イザベラ・ネーミアの宣言
- 03-04: 西風に。
- 03-05: イザベラの処女戦
- 03-06: 参謀部第六課の会見
- 03-07: 深い淵に隠した歌
Chapter4. 歌姫計画は無情にも進む
- 04-01: セルフィッシュ・スタンド回収事件
- 04-02: 女帝の右腕・エリオット中佐とのダイアログ
- 04-03: 夏の休暇の頃
- 04-04: 絶対的な正義となるもの
- 04-05: レイニー・セメタリー
Chapter5. 血に染まり、断末魔に溺れ。
Chapter6. きみは言葉が足りないんだ。
Chapter7. 天に在りては比翼の鳥となりて……
Chapter8. 全てを愛し、未来を憂うからこそ。
- 08-01: 愛するからこそ、汚れたい
- 08-02: 総力戦――なれど。
- 08-03: レイズ・ザ・カーテン
- 08-04: 烈火の如く
- 08-05: 背明のセイレーン
- 08-06: Love all, trust a few, do wrong to none.
- 08-07: To Be.
- 08-08: ことづて