本文-ヴェーラ編1

本文-ヴェーラ編1

07-2-1:近接格闘戦

↑previous もう少し、もう少しだ。ここを抜ければ格納庫に辿り着くことができる。 カティたちは息を潜めて扉の外をうかがう。 問題はまさに「ここ」だ。この扉を抜けてから格納庫までの数百メートル。遮蔽物は何もない。今もサーチライトが無音で...
本文-ヴェーラ編1

07-1-9:1725時

↑previous とてつもなく遠い。いつもだったら何気ない会話の間に辿り着いている部屋。すぐそこだと感じていた部屋。そこに至る道。今は照明もなく、真っ暗だ。ジョンソンとタガートの持っている懐中電灯が唯一の|道標《みちしるべ》だった。 フェ...
本文-ヴェーラ編1

07-1-8:1720時

↑previous 会議は未だに終わらない。終わる様子もない。 ルフェーブルは腕を組み、人差し指で二の腕を叩いていた。あからさまな意思表示だ。だが、当の演説中のアダムス少佐は、それを気にも止めなかった。ルフェーブルはその明確にすぎる悪意を感...
本文-ヴェーラ編1

07-1-7:1715時

↑previous 血を滴らせながら、フェーンはやっとのことでヴェーラたちと合流する。幸運にも生き残っていた海兵隊と合流することができたからだ。とはいえ、彼らはフェーンの目的のために一人また一人と犠牲になり、先ごろついに全員が戦死した。そし...
本文-ヴェーラ編1

07-1-6:1712時

↑previous 使い物にならないライフル、そして《《敵》》。視線を送りながら、カティは確かに絶望した。黒尽くめの兵士はナイフを振り上げ――。 その直後に銃声が響き、兵士は前のめりに倒れ込んだ。派手な金属音が廊下を|木霊《こだま》する。「...
本文-ヴェーラ編1

07-1-5:1710時

↑previous 士官学校周辺の通信はすべて奪われたと考えて良い――フェーンは一人、吐き気をもよおす臭気を突っ切って、シミュレータルームへと向かっていた。レクセル大尉に出した指示が守られているのだとすれば、まもなく|歌姫《セイレーン》の二...
本文-ヴェーラ編1

07-1-4:1705時

↑previous 火炎放射器の劫火が教室を焼き払おうとするまさにその直前、重甲冑を装備したその兵士は、激しい銃撃を食らってバランスを崩した。横殴りの鉄の暴風だったが、兵士は未だ倒れない。「早く部屋から出ろ!」 操作権でその黒い兵士に飛びか...
本文-ヴェーラ編1

07-1-3:1657時

↑previous 《《逃がし屋》》こと、エディット・ルフェーブル中佐は、なかなか終わらない会議にイライラとしていた。今どき対面型の会議など――とは思うが、そもそもオンラインの情報の信憑性が低くなってしまっている現在、それはやむを得ない。 ...
本文-ヴェーラ編1

07-1-2:1655時

↑previous カティ、ヨーン、エレナの三人は、連れ立って食堂の方へと向かっていた。その途上で電話やネットが繋がらなくなり、周囲が騒然とし始める。カティもヴェーラたちに連絡をしようとしてそれに気が付いた。知らぬ間に周囲に人の流れが生まれ...
本文-ヴェーラ編1

07-1-1:2084年2月6日ー1645時

↑previous ヤーグベルテがあの同時多発的大空襲により未曾有の被害を被ってから、一週間が経過した。ヤーグベルテ国内の混乱は、未だに収まる気配すらない。まさか自分たちは被害を受けることはあるまいと、戦争を|他人事《ひとごと》と捉えていた...