小説

本文-ヴェーラ編1

05-1-1:超越者たちのダイアログ

↑previous  数十万の命が一瞬で蒸発し、その数倍の人間が負傷した。そして一ヶ月以上が過ぎた今も、その時の負傷が原因となって死んでいく人々が大勢いる。あの同時多発の核攻撃は、人類史上最大の単位時間あたりの死者数を生み出した。そ...
本文-ヴェーラ編1

04-3-5:S計画とT計画

↑previous  イスランシオは足を組み、ソファに深く身体を沈める。思っていたよりも疲れているのか、少し眠気を覚えてしまう。それもそうだ。昨日から一睡もしていないのだから。イスランシオは気を紛らわすために立ち上がる。ヘレーネも立...
本文-ヴェーラ編1

04-3-4:悪魔の代名詞

↑previous  事態は第三課の思惑通り、ということなのか?  《《異次元の手》》、エイドゥル・イスランシオは、赤とも茶色とも言い切れないガラスのように無機的な瞳で、目の前の空中投影ディスプレイを見つめている。無造作に伸び...
本文-ヴェーラ編1

04-3-3:インダルジェンス

↑previous  ヴェーラとレベッカは二人の部屋のリビングのソファに隣り合って座っていた。レベッカの|携帯端末《モバイル》に、シベリウスたちが参戦した海域の戦闘状況が映し出されている。ヴェーラの|携帯端末《モバイル》の方には報道...
本文-ヴェーラ編1

04-3-2:見えるモノ、見えないモノ

↑previous  第一艦隊旗艦・航空母艦ヘスペロス、轟沈。それに続いて第二艦隊旗艦・航空母艦エレクテウス、消滅。バシン、という妙な音が空域を埋め尽くしたと思ったら、エレクテウスは巨大な渦を残して消えていた。ヘリや戦闘機が海上を漂...
本文-ヴェーラ編1

04-3-1:陰謀の制空戦闘

↑previous  十三機の黒い戦闘機。その先陣を切るのは、無論のこと《《暗黒空域》》カレヴィ・シベリウス大佐の|F108P-BX2《パエトーンストラトス》である。現行技術を一つ飛び越えた、脳波コントロールを主体とする操縦系を持つ...
本文-ヴェーラ編1

04-2-4:パエトーンストラトス

↑previous  シベリウスは|F108P-BLX《ブラックパエトーン》の改良型である新型機、|F108P-BX2《パエトーンストラトス》で先陣を切る。戦闘空域まであと二時間。昼前には到着できるはずだ。南北に長いヤーグベルテの領...
本文-ヴェーラ編1

04-2-3:核攻撃

↑previous  そのシミュレーション訓練から約三ヶ月。ヤーグベルテ統合首都にもほのかに春の足音が聞こえて来る頃である。この三ヶ月間、アーシュオンからの小規模な攻撃が止まることはなかった。アーシュオンの誇る潜水艦機動艦隊による神...
本文-ヴェーラ編1

04-2-2:vs 暗黒空域

↑previous  シベリウスの強さは圧倒的だった。実戦と全く変わらないシャープな|機動《マニューバ》でカティたちを翻弄する。天才とさえ称されるカティが、完全に遊ばれていた。ヨーンやエレナは、ついていくのが精一杯というありさまだ。...
本文-ヴェーラ編1

04-2-1:シベリウスの演説

↑previous  雪が降りしきる年の暮れ、カティたち上級高等部二年の空軍候補生たちは、小さめの講堂に集められていた。候補生数十名の表情は等しく緊張している。それもそのはずだ。演壇に立っているのは、あの《《暗黒空域》》カレヴィ・シ...
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