01. マリオン・シン・ブラック(マリー)

マリオン顔 人物-セイレネス・ロンド
マリオン・シン・ブラック

――私たちのこの剣は、仲間同士で切りつけ合うためのものじゃない!

主人公。主人公である。重ねて言うがなのである。

4歳の頃、敵国アーシュオンによるISMT(インスマウス)と呼ばれる超兵器オーパーツを使った攻撃により、家族もろとも故郷を蒸発させられた。その空襲――通称、八都市空襲――の数少ない生き残りであるマリオンは、それ以後、戦災孤児養育施設で育てられた。長く続く戦争と、それに伴う孤児の増加により、孤児養育施設は巨大な福祉ビジネスとなり、様々な悪質な施設が乱立していた。そのため、マリオンたち孤児は、もちろん程度差はあるにしても、総じて幸福な幼少時代を過ごしていない。

なお、インスマウス(またはインスマス)の命名については「クトゥルー神話」が出典。マリオンたちの所属する国家ヤーグベルテ(Jagberte)に敵対する宿敵国家であるアーシュオン(Arshon)の超兵器オーパーツには基本的にクトゥルー神話の神々の名前が付く。ロイガーナイトゴーントナイアーラトテップマイノグーラ……などなど。

話を戻して。

マリオンは8歳の頃、政府と軍部による「慈善施策」として打たれた「戦災孤児をライヴに招待する」というキャンペーンにより、国防の要にして至高の歌姫ディーヴァであったヴェーラレベッカのコンサートを観に行くことになった。しかしその入場を目前にして、施設職員らとはぐれて入場ができなくなるという危機に直面する。そこでマリオン同様に、施設の職員とはぐれたアルマ・アントネスクと出会う。どうしたものかと思案する二人の前に現れた謎の「大佐さん」に伴われ、無事に入場することが叶った後、二人はヴェーラ及びレベッカと意思疎通を果たす――。この出会いが全ての始まりとなる。その時の「再会の約束」こそが、マリオンとヴェーラの絆となる。

本作「静心にて、花の散るらむ」の主たる登場人物たちは、歌姫セイレーンと呼ばれる能力を持っている。歌姫が何たるかは本編を見ていただくとして、簡単に言うと「超強い」。超能力者と言っても良い。本編の第一話を見てもらえば「歌姫」の何たるかは全て解決するので、見てください。見なさいよ。

歌姫の始祖オリジナルが、「ヴェーラ・グリエール」および「レベッカ・アーメリング」という二人のD級歌姫ディーヴァ。マリオンとアルマの二人は、このディーヴァたちをも凌駕するのでは……と軍や政府から期待されているが、表向きは「D級」のひとつ下「S級ソリスト」としてランク付けされる。オリジナルであるヴェーラとは違い、マリオンたち「次世代組」と呼ばれる若い歌姫セイレーンたちは歌姫の能力が発現しており、その能力は全く未知数である。もちろん、ヴェーラやレベッカというディーヴァは、次世代組と比べても圧倒的な強大さを持っている。だが、マリオン、および、アルマは別格――と目されている。

さて、マリオンの性格であるが、「押しに弱く気が弱く対人関係も積極的ではない」と評価されている。しかし、ここぞというときには主張を貫き通そうという強さも見せ、時として鋭い意見を言うこともある。これはある種無自覚な刃であり、後に直属の上官にして司令官となるレベッカを(ゆるやかに)指弾したりもする。平常時は論理よりも感情を優先する傾向があるが、追い込まれるほど論理に傾倒するようになる。このあたりはマリオンの自我コントロールのしなやかさの表れとも言える。感情を優先しがちな平時のマリオンは割と迷惑な存在なのだが、そのへんはアルマやレオンがうまいことカバーしているようだ。

なお、先述の通り、歌姫セイレーンとしての能力は非常に高く、はからずも)活躍する。初陣の時点で――純粋な戦闘能力だけならば――ヴェーラやレベッカに匹敵すると評価されることにもなる。

専用の艦船は戦艦……ではなく、ヤーグベルテの送り出した新型艦種「制海掃討駆逐艦バスター・デストロイヤー」であるアキレウス。黒色の新型駆逐艦だが、なぜ黒かというと、マリオンの名前が「シン・ブラック」だから。マリア辺りが何となく決めたのかもしれない。

なお、「セイレネス・ロンド(ヴェーラ編)」では、立ち位置や人間関係が「静心」とは大きく異なっている。

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