本文-ヴェーラ編1

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03-2-1:友達として

↑previous  翌朝、カティは顔に当たる柔らかい感触に驚いて目を覚ました。 「……?」  エレナの胸に抱かれる体勢になっていることは数秒で理解した。だが、なぜエレナが下着姿なのかはついに理解出来なかった。つまりカテ...
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03-1-7:この思慕は、本当に私のもの?

↑previous  カティとエレナは、並んで湯船に浸かっている。程よい湯気が二人の体温を少しずつ上げていく。 「生き返るわぁ」  まんまとカティの背中を流すことに成功したエレナは、満足げに天井を仰いだ。カティはふっと息...
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03-1-6:エレナの涙

↑previous  二人はピザ屋の駐車場で参謀部の車に拾われて帰っていった。一人になってしまったカティは少し思案した末に、一人でドライブをしてみようと思い至る。市街地から抜ける頃になって、細かい雪が振り始めてきた。気温が下がってい...
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03-1-5:ピザ屋で語り合う未来

↑previous  |藍色《インディゴ》の大衆車がカティが初めて手に入れた乗用車だった。無論、中古車であるが、当然のように|自動運転《オートマ》機能がある。玄関でヴェーラとレベッカを乗せ、目的地を確認するために|携帯端末《モバイル...
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03-1-4:歌姫戦艦

↑previous  シミュレータの筐体から出た時には、カティは汗だく状態になっていた。空戦の緊張感による影響……はそれほどではない。最後の最後、戦艦たちがオーロラを放って一気に戦闘を終結させた時に、カティは得体の知れない感覚を覚え...
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03-1-3:シミュレータの中で

↑previous  多弾頭ミサイルの群れが、敵機に襲いかかる。だが、敵は五倍。敵機からも当然、五倍のミサイルが放たれてくる。カティたちは更に散開し、各個に退避行動に移る。隊長機であるカティには全部で二十もの弾頭が迫ってきていた。カ...
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03-1-2:セイレネス起動実験

↑previous  フェーンはそんなカティの様子をしばらく眺め、何かに納得したのか無表情のままで小さく頷いた。 「|歌姫計画《セイレネス・シーケンス》の名前は誰もが知っているところだと思うが、その実態は限られた者しか知らない...
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03-1-1:協力要請

↑previous  暦が二〇八三年に変わる。カティは壁に投影されているカレンダーをぼんやりと眺めながら、年末年始休暇の後半戦をどのようにして|凌《しの》いだら良いものかと思案していた。寮に住むほとんどの候補生は帰郷してしまっており...
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02-3-7:ファウストの右、ファウストの左

↑previous  あれ?  エレナは首を振る。ひどく肩が張っていて、少し頭痛もした。そしていつからか知らないが、ハルベルトが目の前に立っている。 「だいじょうぶ?」「いつからいたのよ、あんた」  強がってみせる...
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02-3-6:徘徊する影

↑previous  カティとヨーンが昼食を終えた、その頃である。  エレナは一人、士官学校中庭に備え付けられている小さなガラス張りの建物――通称ガーデンスペースのベンチにて、読書をしながらサンドイッチを食べていた。室温は二十...
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