歌姫は壮烈に舞う 11-1-5:都市を焼く光 アーシュオン本土は同時にいくつもの穴を開けられた。ヤーグベルテの|歌姫《セイレーン》たちによる報復攻撃。それは本作戦の主旨から外れてはいたものの、極めて効果的なものとなった。 アーシュオン本土への核攻撃。その命令は絶対だった。ヴ... 2022.12.04 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2
歌姫は壮烈に舞う 11-1-4:銀髪のセイレーン 分離した十発の核弾頭がアーシュオン第四艦隊に向けて降り注ぐ。アーシュオンの迎撃も失敗に終わる。もはや万に一つも仕留め損なうことはない。旗艦さえ仕留めれば、そこに駐機している超エース部隊であるマーナガルム飛行隊もろともに葬ることができる。... 2022.12.03 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2
歌姫は壮烈に舞う 11-1-3:殲滅命令 ナイアーラトテップを撃沈した海域は荒れに荒れていた。だが、そこに放射線は検知出来なかった。エディットが身を乗り出してモニターを睨む。 「……本当にないのか?」「ええ、大佐。間違いありませんね。少なくとも有害と言える量ではありません... 2022.11.27 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2
歌姫は壮烈に舞う 11-1-2:歌姫コンフリクション 第二波のミサイル総数、三十六。弾頭数にして三百六十発。ヴェーラとレベッカはその全てを掌握していた。全てを命中させる必要はない。だが、最低でもナイアーラトテップを一隻撃沈せしめる必要があった。そのためにどれほどのリソースが必要なのかは、不... 2022.11.26 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2
歌姫は壮烈に舞う 11-1-1:黒い棺 遡ること一時間、七月二十八日、十五時を過ぎた頃――。 ヴェーラとレベッカは統合首都にある研究施設に新設された「巨大な黒い棺桶」こと、新型のセイレネスシミュレータに乗り込んでいた。従来のシミュレータに比べて大きさは三割増し、接続さ... 2022.11.20 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2
歌姫は壮烈に舞う 10-2-2:赤 vs 白 敵機、百二十か――。 カティはコックピットの中で情報を確認する。百二十に加えて、奴らには特殊航空戦力と分類される厄介な連中がいる。総数ではヤーグベルテが勝る。だが、数的優位など意味のないものだった。 『こちらナルキッソス1... 2022.11.19 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2
歌姫は壮烈に舞う 10-2-1:カードは全て切られ得る ヤーグベルテ側の総戦力は、最終的には五個艦隊相当にまで膨れ上がった。海軍と空軍の動員兵力は、合計四万名を超えていた。これだけの数の兵員が最前線に配備されるというのもまた、前代未聞の出来事だった。 対するアーシュオンは、最強とうた... 2022.11.13 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2
歌姫は壮烈に舞う 10-1-3:この戦いが終わったら―― シルビアがヴァルターを送り届けた先は、ヴァルターとエルザの新居だった。エルザはヴァルターが車から降りる前に家から出てきていた。到着を待ち構えていた、といった様子だった。 「シルビアさん、いつもありがとうございます」「いえ……」 ... 2022.11.12 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2
歌姫は壮烈に舞う 10-1-2:助手席にて 何度目だっけ? ヴァルターは運転席に座るシルビアの凛とした横顔を盗み見て思う。その大理石のように冷たい横顔からは、彼女が何を考えているのかを読み取ることはほとんど不可能だ。シルビアはサングラス越しに一瞬ヴァルターを見|遣《や》り... 2022.11.06 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2
歌姫は壮烈に舞う 10-1-1:迎撃用意 ヤーグベルテの守護神、《《暗黒空域》》カレヴィ・シベリウス大佐の戦死より、一年が経過しようとしていた。二〇八七年七月である。 「中央参謀司令部はヤーグベルテが侵攻してくるという情報を入手した」 険しい表情でヴァルターは言う... 2022.11.05 歌姫は壮烈に舞う本文-ヴェーラ編2