――かつてカクヨムにて掲載していたものを完全改訂して連載していきます
ヴェーラ編・第一部:歌姫は幻影と歌う
だいじょうぶ、覚えてる――。
かつて、ありとあらゆるものを目の前で奪われたカティは、淡々と孤独のままに生きてきた。誰かが敷いたレールを疑う気力もなく歩き続け、士官学校へと進み――そして、二人の少女に出会ってしまう。
この少女たちこそ、長期に渡る世界戦争状態が生み出した「歌姫」だった。そして歌姫たちの操るシステム「セイレネス」は、戦争の形態を変え得る圧倒的な威力を発揮する新兵器と目されていた。ゆえに、その少女たちは、否応なく「セイレネス」を巡る争いに巻き込まれていく。カティもまた、その渦中に引きずり込まれていく。
それら「セイレネス」に関わる事象の表裏に姿を見せる人ならざる者たち。そしてすべての事象の裏には、神にも等しい男、ジョルジュ・ベルリオーズの影が見え隠れする。彼らの言葉、行動、その全てが世界に烈震と津波を引き起こす。
弄ばれる世界の中で、歌姫たちはいかにして「セイレネス」に接触するのか。カティたちは巻き起こる戦いの渦の中で、どう生きるのか。何を得るのか、あるいは、失うのか。
慈悲も容赦もない乾いた世界の内側で、セイレーンは破滅の歌を歌い始める。
序章
00:プロローグ
00-0:アウフタクト
第一章
01:イベントトリガー
01-1:出会い
01-2:十年は遠く
02:ファウストの両側
02-1:主観的な未来予報
02-2:エレナとハルベルト
02-3:電空の咎人
第二章
03:生命と数値
03-1:2083年の始まりと共に
03-2:絆の証左
03-3:暗黒空域
03-4:好きとか嫌いとか
04:ストラトス・ピース
04-1:歌姫に纏わる事物
04-2:降り注ぐ核の雨
04-3:The inexpressible things
第三章
05:ディプロマシー
05-1:十二年前から続く……
05-2:奇襲攻撃
06:Plutonian
06-1:神々の諍い
06-2:星を見に行こう
07:永久、共鳴、そのための、距離
07-1:刻一刻……
07-2:対決
08:The Name
08-1:awake
09:エピローグ
09-1:フィーネ
※以上で第一部【歌姫は幻影と歌う】は完結となります